にゃんころ黙示録

お風呂が好きなキモオタク

美少女キャラクターの表現はどこからはじまったのか

例えばオタク文化一般というものが漫画全般のことを指すのであるのならば、それはたしかにアメリカ文化に根拠を持つのはそうなのであろうが、美少女キャラクターの表現というのは視覚文化的な文脈からいってヨーロッパ圏の挿絵画家や絵画に根源を持つ(例え…

進歩的文化人

サブカルチャー批評の根底には丸山真男であるとか鶴見俊輔のような進歩的文化人の系譜がある。例えば丸山なら安藤昌益、鶴見俊輔であるのならばカスタネダといったように偽史的(不明瞭)な対象を論じる批評が大衆化していくと、それが深夜アニメを論じる系譜…

尾崎翠と唯識

尾崎翠と唯識との関係について論じているものを前に読んだ。そう考えるとあの第七官界というワードが戦中派的な物々しさを帯びてしまうのだが、これは宮沢賢治の『春と修羅』序文にも同じことが言える。 尾崎が少女小説的な世界観にそういった問題設定を組み…

安藤昌益とデジタルネイチャー

封建制に対する対抗思想として生み出された安藤昌益の自然世という発想が近代化の徹底によって崩壊する一方で、民衆の文化的平等が高度な情報通信技術によって叶えられてしまう。自然をデジタルと言い換えることで農耕社会的な自然=母性を高度な技術による…

波止場の哲学者エリック・ホッファー

エリック・ホッファーが想定している自然概念はアジア的なものに対しても向けられている。ホッファーが文化と自然の対立という時にそれがシュペングラー的な文脈であるというよりは朱子学的な権力と自然が合致していた日本的な自然像を想定していた側面があ…

マルクスと貨幣

マルクスの草稿で書かれた貨幣論ほど罪作りな論考はない。マルクスは資本主義社会における無限の媒介装置である貨幣の廃絶を望みながら逆説的に価値形態論において貨幣の必然性を認めてしまっている。剰余価値の追及による労働と使用価値の頽廃を批判するマ…

芥川とレーニン

戦前の右翼テロリストは共産主義思想を言動のレベルで拒絶していてもそれに類似する側面を持つパラドックスを有している。アナーキズムと天皇制が合致してしまう瞬間があるのは、その戦前天皇制の持つ詩的な意味での無限抱擁性にある。それは実行のレベル(武…

雑感 マクロスを観て思ったこと

超時空要塞マクロスの最終話で一条輝と別れてアイドルとしての道を歩み続けることに決めたリン・ミンメイは、Ζガンダムのカミーユのプロトタイプなのではないか。リン・ミンメイは虚構と現実の対立を延命させる一方で、カミーユはそのイロニーの戯れを超え出…